「特に何かあったわけではないのに今日はなぜか不安になる」
そんな経験はありませんか?
私たちは自分の中に生まれた感情を、当然のように「自分のもの」だと思っています。
もちろん、自分の経験や悩みから生まれる感情もあります。
しかし、ときには周囲の人が感じていることや、世の中に広がっている不安などに影響されて、自分にも同じような感情が生まれることがあるのです。
そこで関係してくるのが「集合意識」です。
今回は、集合意識とはどのようなものなのか、自分の感情を見分けるヒントや、集合意識に飲み込まれないためにできることをご紹介します。
集合意識とは?私たちは周囲から影響を受けている

集合意識とは、多くの人が共有している意識や感情、価値観などを指す言葉です。
たとえば、職場全体がピリピリしていると、特に嫌なことがあったわけではないのに自分まで緊張してきたことはありませんか?
もっと広い範囲では、災害や景気に関するニュースが続いたときに、社会全体に不安が広がることもあります。
また、集合意識に含まれるのは感情だけではありません。
「この年齢なら結婚しているのが普通」「安定した仕事に就いたほうがいい」など、いつの間にか多くの人の間で共有されている価値観もあります。
もちろん、集合意識は不安や焦りだけを生み出すものではありません。
大勢でスポーツを応援していると気持ちが高まるように、楽しさや希望などが広がることもあります。
私たちは良くも悪くも、周囲からさまざまな影響を受けながら生活しているのです。
「その感情、本当に自分のもの?」見分ける2つのヒント

自分自身から生まれた感情と、周囲から影響を受けた感情をはっきり区別するのは難しいものです。
ただ、自分の気持ちを振り返ることで、その感情がどこから生まれたのか見えてくることがあります。
①感情が生まれたきっかけを振り返る
理由もなく不安になったり、急に焦りを感じたりしたときは、「いつからこんな気持ちになったんだろう?」と振り返ってみましょう。
たとえば、朝はいつも通り過ごしていたのに、SNSで同世代の人が活躍している投稿を見たあと、急に「私ももっと頑張らないと」と焦り始めたとします。
この場合、何か困ったことが起きたから焦ったわけではなく、SNSで同世代の活躍を見たことが、焦りを感じるきっかけになったと考えられます。
ほかにも、将来を心配している人と話したあとに自分まで不安になったり、周囲がピリピリしている場所にいるうちに気持ちが落ち着かなくなったりするのも、集合意識の影響として考えられる例です。
「この感情はいつから強くなった?」「その前に何を見た?誰と話した?」と順番にたどってみると、自分では気づいていなかった感情のきっかけが見つかるかもしれません。
②「普通」「みんな」「〜すべき」が隠れていないか考える
もう一つ確認したいのが、自分が当たり前だと思っている価値観です。
たとえば、周囲の結婚が続いて「自分も早く結婚しなければ」と焦っていたとします。
しかし、その焦りは本当に自分の望みから生まれているのでしょうか。
「周りはみんな結婚しているから」「この年齢なら結婚しているのが普通だから」という思いが隠れていることもあります。
そんなときは、「誰とも比べず、誰からも何も言われなかったとしても、私は同じことを望む?」と問いかけてみましょう。
周囲の価値観を、自分の望みだと思い込んでいたことに気づくかもしれません。
集合意識に飲み込まれないためにできる4つのこと

周囲からの影響を完全になくすことはできません。
大切なのは、影響を一切受けないことではなく、必要以上に周囲の感情や価値観に振り回されないことです。
①情報から離れる時間をつくる
SNSやニュースを見続けていると、それだけ多くの人の考えや感情に触れることになります。
見ているうちに不安や焦りが強くなってきたら、一度スマホを置いてみましょう。
散歩をする、料理をする、お風呂に入るなど、情報が入ってこない時間をつくることで、自分自身の感覚に意識を戻しやすくなります。
②「今の自分」に起きていることへ意識を戻す
世の中の出来事を、自分の問題のように感じてしまうこともあります。
たとえば、景気に関するニュースを見て将来が不安になったときは、「今の自分に実際に何が起きている?」と確認してみましょう。
世の中で起きていることと、自分に今起きていることを分けて考えるだけでも、漠然とした不安に飲み込まれにくくなります。
③自分の気持ちを書き出す
頭の中だけで考えていると、自分の気持ちと周囲の価値観が混ざってしまうことがあります。
「私は何が不安?」「本当はどうしたい?」「私は本当にそれを望んでいる?」など、思っていることを書き出してみましょう。
言葉にすることで、「本当は周りと比べて焦っていただけだった」など、自分でも気づいていなかった本音が見えてくることがあります。
④自分が安心できることをする
不安や焦りを感じても、無理に前向きになろうとする必要はありません。
温かい飲み物を飲む、好きな音楽を聴く、散歩をするなど、自分がほっとできることをしてみましょう。
気持ちが穏やかになる時間をつくることで、周囲に向いていた意識をいったん自分自身に戻しやすくなります。
普段から「これをすると安心できる」というものをいくつか見つけておくと、周囲の空気に影響されていると感じたときにも、気持ちを切り替えやすくなるでしょう。
まとめ

私たちは、周囲の人や情報と関わりながら生活しています。
そのため、ときには人の感情や社会に広がる価値観などに影響されて、知らないうちに不安や焦りを感じることもあります。
理由もなく心がざわついたときは、すぐに「自分の問題だ」と決めつけず、「この感情はいつから生まれた?」「これは本当に私が望んでいること?」と一度立ち止まってみてください。
「もしかしたら、これは自分だけの感情ではないかも」と気づくだけでも、必要以上に周囲の空気に振り回されにくくなります。
自分の気持ちなのか、周囲から受けた影響なのかを確かめながら、本当に自分が感じていることや望んでいることを大切にしていきましょう。