「2021年もコロナ禍が心配でなんだか憂鬱」
「今年もどこにも行けないのかな、仕事のこともなんだか不安になってきた」
2020年から日本でも大流行しているコロナウィルスや自粛の影響で生活スタイルが変わり、不安定な気持ちに悩まされている方もいるでしょう。
そんな不安を解消してくれる可愛いイラストがあるのをご存知ですか?
『アマビエ』という妖怪の絵が、現在SNSでとっても流行っているんです。
知らない方のために今回はアマビエとは何か?そしてその妖怪のルーツに迫ってみました。
可愛いイラストが多いので、SNSを見ているだけでも癒されますよ。
アマビエとは
出典:ac-illust
アマビエとは、江戸時代に熊本県の海に突如として現れた妖怪です。
江戸時代の瓦版(現在の新聞)で報じられて、目撃されたのはこの1回だけ。
目撃情報の瓦版にはこのように書かれていました。
「ある日漁師たちが毎晩海の向こうに発光物体を見つけた、という報告を聞いて役人と一緒に調査に向かった。
浜辺に行って海を見ていると、真っ暗な海の中から青白い光が現れた。
そしてその光は徐々に彼らに近づいてきて、そこから謎の妖怪が出現。
妖怪は特に悪さをするわけではなく、彼を見つけて口を開いた。
”私は海の中に住んでいるアマビエ。
この数年は豊作が続き、人々の暮らしは豊かであるだろう。
もしも疫病が流行った場合は、私の姿を絵に描いて人々に見せるように”
こう伝えた後、アマビエは静かに海の中に帰っていった」
特に悪さをするわけではなく、むしろ救世主的な存在として描かれています。
大流行しているアマビエですが、日本ではそこまでメジャーな存在ではありません。
かっぱやぬらりひょんなどは有名ですが、コロナ禍までこの妖怪を知らなかった方も多いはず。
目撃情報は熊本の海に現れたこの1回のみということで、かなり謎に包まれた妖怪なんです。
類似した妖怪「アマビコ」がルーツ?
アマビエが目撃されたのは瓦版に書かれた1回のみで、他の地方には現れていないそうです。
実はアマビエににた妖怪で「アマビコ」という妖怪があります。
アマビコは江戸時代から明治にかけて、数々の資料や新聞記事で紹介されている妖怪です。
見た目は「3本足で体表は毛髪に覆われており、嘴がある」と、アマビエに酷似した特徴を持っています。
海の中で光るものを見つけてよく見ると、そのさきに猿と魚が融合したような生物が現れたという記述が。
そして「私はアマビコ。もうすぐ疫病が流行って、人間の多くが死んでしまうだろう。豊作もあるが、疫病も流行る。その場合は自分の姿を絵に描いて人に見せれば、難を逃れる」と伝えた内容もほぼ同じ。
出現した場所は熊本県が5箇所、宮崎県では「尼彦入道」という名前で、そのほか岡山県や新潟でも目撃されているそうです。
出現場所もアマビエと同じなので、アマビコが訛ってアマビエと呼ばれたのかもしれませんね。
ちなみにアマビコは海だけでなく、田んぼに「天日子尊(アマビコノミコト)」と名乗って現れたこともあるそうです。
明治時代に疫病が流行った時などは、アマビコの絵が発売されていたそうです。
目撃情報も多いですし、日本ではアマビコの方がメジャーな存在でした。
実はアマビコがアマビエのルーツになっているのではないか、と考えられています。
神社姫・姫魚もアマビエ・アマビコと似ている
日本でコレラが流行る前に、同様に海から姫魚(ひめうお)、神社姫(じんじゃひめ)という妖怪も目撃されています。
人面に体が魚の人魚のような見た目をしていて、アマビエやアマビコと同じように「疫病が流行って数多くの人が死ぬ。
その時は私の姿を絵に描いて、人々に見せなさい」と伝えて消えたそうです。
SNSで大人気
2020年初頭から日本を襲っているコロナ禍の影響から、アマビエのイラストをSNSでシェアする動きが高まっています。
これはアマビエが言い残した「疫病が流行ったら自分の絵を描いて人に見せるように」という言葉を実践したものです。
アマビコよりも見た目が可愛く、デフォルメしやすいのも人気の秘密かもしれません。
みんながコロナ退散を祈って、アマビエの絵を描いてシェアしているんですね。
他にもいる!日本の禍を予言する妖怪「件(くだん)」
アマビコやアマビエのように「人間を助ける」という目的ではないようですが、これから起こる不幸を予言した妖怪はさまざまいます。
「くだん」という妖怪は、人間の体に牛の頭がついている妖怪です。
生まれてすぐに死んでしまいますが、その直前に「凶作や疫病について、また戦争が起こる」など予言したそうです。
日本は妖怪や霊的なものと深く繋がっている文化を持っています。
未知なる力が、人間にあらかじめこれから起こる災厄を教えてくれていたのでしょうか。
まとめ
出典:ac-illust
今回はSNSで大人気の「アマビエ」のルーツや、似ている妖怪についてお話ししました。
コロナ禍で一気に有名になったアマビエですが、調べてみると興味深いことがたくさんわかりましたね。
アマビエが実在するかは分かりませんが、大切なのは人々が「平和で安心できる暮らしを取り戻そう」とする意識です。
集合意識はとっても強く、人々が祈れば現実世界もそれに応えてくれるでしょう。
あなたもアマビエの絵を待ち受けにしてみたり、家に飾ることで少しは安心できるのではないでしょうか。
胡散臭い迷信と切り捨てるのではなく、希望を持つ材料としてアマビエの力を借りてみませんか?