古来よりさまざまな場面で「祝詞(のりと))が唱えられてきました。
わたしたちは、本来の意味をしっかりと理解しなければなりません。
最近では目にする機会がめっきり減ったように感じます。
みなさんはいかがでしょうか?
今回は、「祝詞」がもつ意味を掘り下げて解説します。
正しい意味を学習してくださいね。
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祝詞(のりと)とは?
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神社の宮司(ぐうじ)や神主(かんぬし)が唱える祝詞(のりと)。
意味を端的に解説するならば、神様に対するお願いごとや、感謝の気持ちを言葉にしたものです。
歴史をさかのぼりましょう。
古代日本までもどってください。
大昔には、神様のお告げを民衆に伝える役目を担う人がいたのです。
かなり特殊な能力の持ち主だったことでしょう。
「邪馬台国(やまたいこく)」を治めた「卑弥呼(ひみこ)」が代表的な存在ですね。
「卑弥呼」に関しては謎が多く正確なことは分からないのですが、まちがいなく存在した女王です。
彼女が国を治めた手法が「神のお告げ」。
おどろくべき方法ですね……。
じつはこれこそ本来の「祝詞」とされるもの。
元々は、神様が民衆に向けて発せられた言葉を「祝詞」としていたそう。
時代の変遷により、いつしか「人間から神様へ」と変じていきました。
現在では、神職(しんしょく)にある人たちにより、神様へ言葉を届けることに。
それが「祝詞」となるものです。
ご理解いただけましたか?
祝詞の奏上(そうじょう)について
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さきほどは「祝詞を唱える」と記載しました。
正しくは「祝詞を奏上(そうじょう)する」となります。
「奏上(そうじょう)」は位(くらい)の高い存在へ言葉を伝える場合に使う単語。
基本的には誰が伝えても構いません。
しかし、神様へ言葉を伝えるわけですから、それなりの「お作法・マナー」が必要となります。
「服装・装束」から「所作」まで細かく定められており、「心身のお清め」も済ませなければなりません。
これらを考えれば、専門家にお任せするのが適当でしょう。
神職にある人たちですね。
ただし、簡易的な方法はいくらでもあります。
神社へ出向き、お参りをしながら唱えればよいのです。
その際に気を付けてほしいのは、他人の邪魔にならないこと。
まちがっても、拝殿の中央で大声を出してはいけませんよ。
祝詞を奏上する場面とは?
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神社の祭礼で奏上されるのが一般的。
また、結婚式や地鎮祭も奏上される場面として有名ですね。
七五三祝いの場面も「祝詞の奏上」がおこなわれます。
このように考えると、身近な存在だと思いませんか?
「では、祝詞の文言はどのように作成されているのでしょう?」。
質問が寄せられました。
「祝詞」はTPOに合わせて作成する必要があり、構成上に決まりが存在します。
つぎの項目でその点を掘り下げます。
祝詞の構成について
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祝詞はいくつかの項目により構成されているのです。
それぞれを列記しましょう。
・起首の句
神様に対してのご挨拶部分。
・神徳の句
神様を敬い、神話と関連付けをもつ部分。
・感謝の句
神様への感謝を述べる部分。
・由縁の句
祝詞を奏上する趣旨などを説明する部分。
・奉仕の句
神様へのご奉仕を述べる部分。
・装飾の句
神様をお迎えする場所について述べる部分。
・献供の句
御餅や神酒など、お供えについて述べる部分。
・感応の句
神様へ願う気持ちの強さを述べる部分。
・祈願の句
ここが祝詞の本題。
願いごと(家内安全など)を述べる部分。
・結尾の句
祝詞の締めを述べる部分。
大まかに構成を説明しました。
これらを守れば、神職でなくても「祝詞」の作成は可能です。
祝詞の書きかたについて
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ここまでの情報で、「祝詞」の書きかたをご理解いただけたのでは?
しかし、実際に書く場合には、もう少し情報が必要ですね……。
「祝詞」は奉書紙に書くもの。
ちなみに、奉書紙は古くから使用されてきました。
そもそも奉書紙は楮(こうぞ)を原料とする厚手の和紙。
名称の由来は、幕府の公文書に使用されていたためです。
幕府が関わることですから、奉る(たてまつる)必要があったのでしょう。
「祝詞」の表記方法は伝統的な「宣命書(せんみょうがき)」とよばれる手法によります。
字の大きさに区別をつける点が大きな特徴。
具体的には、名詞および動詞は大きく、助詞や助動詞などは小さく書きます。
小さく書く文字は万葉仮名を使用。
大切な作法ですから、認識してくださいね。
また、奉書紙は七折半に折ることが大切です。
最初の折と最後の半折は空けておきます。
「祝詞」の内容は「あいだの六折」に書き込みましょう。
墨を使うのが常識ですよ。
神職の声
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ここで神職の意見を少し。
素人による「祝詞の奏上」を快く思わない声がよせられました。
その理由はマナー違反。
神様に対する「畏敬の念」や、他の参拝客に対する「配慮」が足らない、とする意見を見受けることに。
十分に注意したいですね……。
まとめ
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「祝詞」は身近な存在です。
奏上する際には、必ず神社へ出向く必要はありません。
要は気持ちの問題。
ただし、最低限のマナーは必要ですよ。
いっぽう、厳格に「祝詞の奏上」を考えているならば、正装して神社へ出向きたいですね。
神職から教えを乞うのもよいでしょう。
「神様へのお願い」は「お告げ」を受け取るための第一歩。
正しいお作法を身に付けたいものですね。
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