暦に沿う暮らし⑭処暑

暦に沿う暮らし⑭処暑

暦の上だけでなく、実生活の中でも「秋」の訪れを感じ始める「処暑(しょしょ)」の頃。

早朝に吹く涼しい風や、夜に鳴く秋の虫の声に、夏の終わりのもの寂しさを感じることもあるでしょう。

今回は、二十四節気「処暑」と、その期間中の三つの七十二候を取り上げました。

季節の薬膳、季節のお話もまとめましたので、お読みいただけましたら幸いです。

処暑とは

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出典:photoAC

二十四節気の第14節目となるのが「処暑」の季節。

期間としては、8月23日~9月6日頃を指しています。
まだまだ暑さは感じるものの、盛夏の酷暑は和らぎ、残暑と呼ぶにふさわしい暑さに変わりゆく頃。
下記の三候でも紹介しますが、穀物の実りが始まる頃とも言われています。

処暑の三候

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それでは処暑にあたる七十二候の三候を見ていきましょう。

繰り返しのようで、少しずつ移ろう細やかな季節を感じ取ることができますよ。

初候:綿柎開(わたのはなしべひらく)

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8月23日~8月27日頃の候です。

「柎」とは、萼(がく)のこと。

オクラにも似た黄色く華やかな綿の花が咲いた後に、ふんわりと可愛らしい綿の実を包む萼が開き始める頃を指す七十二候です。

実際の暦では、7~9月にかけては開花期となっています。

綿の実が姿を見せてくれるのはもう少し先のこととなるでしょう。

「暦に沿う暮らし」では、これまでにも紅花や養蚕について取り上げてきましたが、今回取り上げる綿もまた、日本人の暮らしに欠かせない植物の一つです。

昔は絹のことを綿と言い、植物の綿のことは「木綿」と区別して呼んでいたそうですが、現在は綿というと木綿のことを指すようになりました。

庶民の生活に寄り添い、ともに暮らしを営み続けてきたのが、綿という植物なのでしょう。

ふわふわの綿は、中に入っている種を選り分け、綿毛だけにしてから紡がれます。

次候:天地始粛(てんちはじめてさむし)

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8月28日~9月1日頃の候です。

粛という字は、静粛や厳粛といった場面で使われることが多いですが、ここでは鎮まる、弱まる、縮むといった意味で使われています。

暑く激しい夏の気が鎮まり、冬に向かって涼しい秋の気が漂うのが天地始粛という季節。

また、この頃には雑節の「二百十日(にひゃくとおか)」を迎えます。

二百十日の頃は、台風の到来が多く、夏にのびのびと成長した稲が収穫前に被害を受けやすいことから、農家の厄日とも言われています。

「おわら風の盆」など、風鎮めの祭りが行われるのもこの頃です。

風が変わると季節が変わる。

雲や大気の動きを見ることは、季節を読み取るための一つのコツかもしれません。

夏と秋の靴を片足ずつ履いているような、まさに季節の変わり目を感じる候となっています。

末候:禾乃登(こくものすなわちみのる)

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9月2日~9月6日頃の候です。

「禾」とは「のぎ」と呼ばれる穀物の穂先に付いた毛のような、とげのようなもののこと。

稲だけでなく、麦や粟、稗といった、穀物全体を表します。

ここでは特に、日本人の主食である稲の穂がこぼれるように実り始める頃を指しています。

春に種を蒔き、ようやく収穫が近付くこの頃に行われる風鎮の祭りには、五穀豊穣の祈りも捧げられているのでしょう。

稲刈りまでは気の抜けない農事ですが、葉先へと登るように実る稲穂に、至上の喜びを感じているのは今も同じかもしれません。

これから秋が深まるにつれ、芋、栗、かぼちゃといった秋の味覚も楽しみですね。

新米、新穀の恵みをいただける喜びを心待ちにしたい末候です。

季節の薬膳

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夏に溜まった疲れや、寒暖差による不調が噴き出してくるのが処暑の頃。

秋は五行では「悲しみ」に関わる季節と言われており、風邪のような症状のほかに、心理的な落ち込みを招きやすい時期と考えられます。

悲しみは気の停滞を招き、不調へと繋がることから、この時期は、気を補うような食材がおすすめ。

豚肉やにんにくが気をチャージしてくれますので、積極的に食卓に取り入れてみましょう。

また、この時期に風邪を引きやすい方は、乾燥から体を守る「白い食べ物」がおすすめです。

特に白米は気を補う食材にも含まれ、五臓のバランスを整えてくれます。

一日に一度は白いご飯を食べる。

そんなところから食養生を始めてみるのも良いですね。

季節の言葉

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暴風雨を伴い、通り道一帯に甚大な被害をもたらすという印象が年々強まっている「台風」。

昔は台風の時に吹く風を「野分(のわき)」と言って、古くは枕草子や源氏物語にもその様子が克明に記されています。

今でこそ、事前にその訪れを把握することができる台風ですが、昔はそうもいかなかったのではないでしょうか。

田畑を荒らし、村や町を痛めつける一面もあったでしょうが、「野分」という名付けにはどこか日本人らしい大らかさも感じられます。

野の草を分けるように吹く強い風と叩きつけるような雨。

雨が降ることで土が潤い、恵みを受けられる。

そんな心持ちが、このような名付けに至った理由かもしれません。

まとめ

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今回は二十四節気の処暑にあたる三つの候をご紹介しました。

鈴虫や松虫など、秋の虫の声が聞かれ始めるこの頃。

その声に耳を傾ければ、いつの間にか訪れていた涼やかな秋に気付くことができます。

徐々に日中と朝晩の寒暖差も気になる季節の変わり目でもありますので、体調には気を付けて、秋ならではの味覚や行事を楽しみながら、健やかにお過ごしください。

PROFILE九官飛星風水のおすすめの先生

南雲エマ先生のプロフィール写真

南雲エマ先生

鑑定歴21年
得意な占術霊感・霊聴・スピリチュアルタロット・数秘術・九官飛星風水・八宅風水・夢診断
実績◆女性誌の占い特集にて掲載
 CLASSY.[占いに導かれた幸せの恋愛日記]/ BLENDA[キメる恋の占い]/ CLASSY[心が身体が魂が幸せになる占い体験]など多数
◆有名女優やものまね芸人、モデルなど有名人の鑑定実績あり
◆アイドルグループのイベント開催時、アプリにて鑑定出演
◆政界より某政治家ブレーンからの依頼及び鑑定実績あり
◆女性向けポータルサイトにて、開運についての記事執筆
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