『新嘗祭』と言われてもピンとこない、そういう人も多いのではないかと思います。
今回は、新嘗祭とはどんな行事なのか、そして、新嘗祭におすすめの5つの過ごし方をまとめました。
020年11月23日が、特別な一日になれば幸いです。
新嘗祭とは?
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都会に暮らしていて、お金と引き換えにモノを買うのが当たり前の生活をしていると、つい忘れてしまいがちなことがあります。
それは、お金を出しても決して買えない自然の営みがあるということ。
戦後、GHQの介入などを経て、現在では「勤労をたっとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう日」=勤労感謝の日となった11月23日。
もともとは「新嘗祭」という宮中行事として知られていました。
新嘗祭とは、宮中行事のなかでも最重要とされる祭祀です。
天皇陛下と、その祖先神であり、日の神様である天照大御神(あまてらすおおみかみ)が新穀を召しあがります。
農耕民族である日本人の主食・イネをはじめ、作物の収穫を喜び、恵みをくださった神様と自然に感謝する、それが新嘗祭の目的です。
現在では収穫したお米は乾燥機に入れられ、一定の水分量に簡単に調節できることもあり、早くから新米が出回っています。
みずみずしく甘みもある新米を早く食べたいという気持ちは当然かもしれませんが、新嘗祭の日は少しでいいので、新穀をいただけることのありがたみを感じてみてほしいと思います。
「ありがとう」をカタチにする新嘗祭の5つの過ごし方
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自然の恩恵のほかにもお金で買えないものがあります。
たとえばそれは「心」です。
「ありがとう」と思う気持ちは、だれかに頼まれたから思うのではなく、心の中から湧き出るものではないでしょうか。
勤労感謝の日でもある新嘗祭にぴったりな、「ありがとう」をカタチにする5つの過ごし方をご紹介します。
?新穀や旬の食材をいただく
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本来食べものには「旬」と呼ばれるもっともおいしく食べられる収穫期がそれぞれあるはずですが、スーパーに行けば年中同じような食材が並びます。
毎日同じようなものを食べていると、「いつだって食べられる」と誤認してしまうのも無理はありません。
新嘗祭のこの日は、「今、この時期にしか食べられないもの」を意識して、食べてみてはいかがでしょうか。
新米などの新穀はもちろんのこと、芋や栗、かぼちゃ、きのこ類、果物など、この時期ならではの「旬」を感じられる食材を選んで、自然の恵みに感謝し、じっくりと味わってみる過ごし方は、家にいてもできるのでとてもおすすめです。
?感謝を伝える
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家族や友だちなど、いつも当たり前にそこにいてくれる人がいます。
その人たちには、お金を払って、いてもらっているわけではありません。
心と心で通じあっているからこそ、そこにいてくれるのです。
人は失敗もしますし迷惑もかけます。それが、生きているということだと思います。
それでも、あなたの周りにいてくれる優しい人々に、改めて感謝を伝えてみてはいかがでしょうか。
贈りものをするのも素敵ですが、「ありがとう」とはっきり伝えることも大事です。
?自分をねぎらう
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案外忘れてしまいがちなのが、自分をねぎらうことではありませんか。
あの人が頑張ってくれているから。お金が必要だから。
子どものために。いろんな理由から、自分の声をかき消したこと、あるのではないかと思います。
最近疲れが溜まっている、無理をしていると感じているなら、この日ばかりは自分のために時間やお金を使ってもいいのではないでしょうか。
温泉やマッサージに出かけるとか、少しリッチなランチに出かけるとか、ずっと欲しかった化粧品を買うとか、自分をねぎらうことも必要です。
それが明日からの活力になるなら、決して高い投資でもないでしょう。
?自然の恵みを感じる
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紅葉や、ところによっては樹氷などが美しい季節です。
今しか見られない風景に身を置くことも、自然の恵みを感じることでしょう。
山の湧き水をいただくこと、日本の原風景に出会うこと、広い空を眺めること、海辺を歩くこと、すべて自然を感じることです。
人間には絶対に作り出せない自然の造形美に感謝するのも素敵な過ごし方ですね。
?新嘗祭に参加する
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世界的に苦難の大きい2020年ですが、それでも今日まで生きているのは、神様や自然の力に支えられてのことです。
新嘗祭に参加して、直接神様に感謝をお伝えしてみてはいかがでしょうか。
神社の祭祀というと一般人は入ってはいけないように思ってしまいますが、本当はとても開かれたもので、だれが行ってもいいのです。
近くの神社さんへ行って、新嘗祭に参加することはできますか、と聞いてみれば、時間や参加の可否を教えてくださいます。
神社の規模や体制から、感染症対策ができない可能性もあります。
一般の方を受け入れられるかは神社さんに委ねられますので、事前に問い合わせてから参加されることをおすすめします。
まとめ
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『新嘗祭』は、天皇陛下が神様や自然に対して五穀豊穣を感謝し、新穀を召しあがるお祭りです。
勤労感謝の日とも呼ばれるこの日は、身の回りに当たり前にあるものを見直すのに最適な日とも言えます。
食べるものがあること、話し相手がいること、家族があること、自然の美しさに触れられること、そして、自分にも。感謝に気づくことのできる一日になれば、世界が新しい色に彩られていきそうです。