地獄の沙汰も金次第?地獄の種類について

昔から使われてきた「ことわざ」として、「地獄の沙汰も金次第」がありますね。
辞書で意味を調べると、お金さえ用意すれば地獄の裁判も有利になることです。

本来の意味との違いについて触れましょう。

元来の故事から読み解ける意味は、有り余る富をもって「あの世」へはいけないことを示唆するものです。

つまり、「あの世」へいくことになったならば、現世での富を周囲に分け与えるべきであることを説いています。

これが「得積み」であり、地獄の裁判官である「閻魔さま」がしっかりと見ているのです。

今回は地獄にスポットを当てて解説をすすめましょう。

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地獄の構造について

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「地獄」は、私たちが認識できる世界の最底辺に存在すると考えられています。
ですから、「地獄」を「奈落の底」と表現するのですね……。

広さは14万4千k㎡とされており、広大な世界が広がっているのです。

そして、「地獄」は複数の階層によって構成されています。

これらの階層により地獄の種類分けがなされており、生前における罪の重さによって階層を落下していくのです。

この階層は8つあるとされ、最下層まで落とされるのは最も罪深い人ということになりますね。

つぎの項目で、それぞれの地獄を講じましょう。

等活地獄について

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いちばん浅い位置に存在するのが「等活地獄」です。
地上より7200km下部に位置するとされ、到底戻れるとは思えませんね。

「等活地獄」に落ちる罪状は、虫や動物に対する無益な殺生です。
「蚊」を殺す行為も含まれますから、ほとんどの人が該当するのでは。

この地獄に落ちると、怒りの感情があふれてきます。
これにより、罪人同士の殺し合いが延々と続けられるのです。

考えただけで恐ろしいですね。

黒縄地獄について

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つぎの層は「黒縄地獄」です。
こちらは、無益な殺生に加えて盗みを働いた者が落とされる地獄となります。

少しの出来心であっても、情状酌量の余地はありません。
現世を生きる私たちは、厳に慎まなければならないのです。

この地獄では灼熱の板が用意されています。
板の上で、焼け焦げた黒縄を用いて身体に目印をつけられるのです。

「いったい、何の目印でしょうか?」。
質問がよせられました。

この目印に沿って、ノコギリで千切りにされるのです。
恐ろしいでしょう?

衆合地獄について

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さらに、淫ら(みだら)な行為をした者が落とされる地獄です。
刃で構成された林が用意されており、樹上から美男美女の誘惑がまっています。

誘惑に負けて身体じゅうを血だらけにしながら樹上をめざすと、そこに美男美女の姿はありません。

今度は樹下から声をかけられるのです。

延々と繰り返すうちに、身体じゅうから血が噴き出します。
そして、最終的には鉄の巨像により踏みつぶされることに……。

叫喚地獄について

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これまでの行為に加えて、さらに飲酒を繰り返していた者が落とされる地獄です。
自分が飲酒しただけではなく、他人への強要についても罪を問われます。

熱湯が煮えたぎる釜に放り込まれ、阿鼻叫喚(あびきょうかん)の世界を目の当たりにするのです。

大叫喚地獄について

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これまでの行為に加えて、さらにウソをついた人はこちらまで落とされます。

「叫喚地獄」と受ける仕打ちの種類は変わらないのですが、10倍の辛さ(つらさ)が用意されているのです。

具体的には、釜の温度が10倍高められており、耐え難い苦痛に大声を上げることとなります。

「大叫喚地獄」に拘留される期間は「6821兆1200億年」。
気の遠くなるような長期間ですね。

焦熱地獄について

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ここまでの罪に加えて、大切な「仏教の教え」に背いた者が落とされる地獄とされます。

「大叫喚地獄」の10倍となる辛さが用意されており、極熱によって全身を焼かれることに。
また、手足や目・鼻・口を分解されて焼かれます。

想像を絶する焼かれかたであり、鉄串でそれぞれのパーツを刺されます。

串刺しで焼かれる状態を想像してください。
恐ろしくて声がでませんね……。

大焦熱地獄について

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さらに下の層となるのが「大焦熱地獄」。
こちらは尼僧や幼子に強姦を働いた者が落とされる地獄とされます。

尼僧や幼子に強姦だなんて、ムチャクチャですね。
とんでもない極悪非道な人間が落とされる地獄であると認識しましょう。

さらなる極熱によって身体を焼かれることとなるのですが、その辛さは上層にある地獄で受ける一切の苦しみと比較して10倍になるのです。

「いったい、どれぐらいの辛さなのでしょう?」。
もう、まったく想像できませんね。

しかも、恐ろしいのは拘留期間に関して。

人間界の時間軸では計り知れないとされています。
一応換算してみると、43京6551兆6800億年になるのです。

いかがでしょうか?
ほぼ永遠と考えてよいでしょう。

無間地獄(阿鼻地獄)について

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さらに両親や阿羅漢(聖職者)を殺してしまうと、ここまで落とされることになります。
この地獄が最下層であり、こちらまで落ちるのに2000年かかるのです。

無間地獄で用意されている苦は、舌を抜かれて釘を打ち付けられ、毒虫や大蛇に責め続けられるものとなります。

こちらまで落とされると、拘留期間は無限であり、2度と輪廻転生が許されません。

まとめ

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さまざまな地獄について解説しました。
これらは「八大地獄」とよばれているものであり、生前のおこないを問うものです。

現世を生きる私たちは、常に「善いおこない」を意識しなければなりません。
「徳を積むこと」こそが、地獄行きを回避する唯一の方法ですよ。

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