【雑節・二百十日】風を鎮め、風を畏れ、風の時代を生きるための3つの知恵【2021年は8月31日】

『二百十日』という暦日があるのをご存じでしょうか。

「風」にまつわるこの日をきっかけに、「風の時代」について今一度、考える機会を持っていただければと思いました。

今回は、二百十日と風祭りについて、そして、風の時代を生きるための3つの知恵についてまとめています。

二百十日とは

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二百十日は雑節の一つで、立春から210日後にあたる日のことです。

毎年9月1日頃に迎えますが、2021年は立春が2月3日だったため、8月31日が二百十日に当たります。

稲の開花・結実期であるとともに、大型の台風が日本列島を訪れるこの時期。

農作物に甚大な影響を及ぼしかねないということで、風を鎮めるお祭りなどを行い、無事に実りをいただけるようお祈りをする地域が今も残っています。

また、台風は海の仕事などにも関係しています。

船を出せるかどうか、生死にかかわるのが気象ですから、農家だけでなく、さまざまな産業を担う人々にとって関心事であることがうかがえます。

農家の三大厄日

二百十日に加え、旧暦の8月1日にあたる「八朔」(2021年は9月7日)と、立春から220日目となる「二百二十日」(2021年は9月10日)を合わせて、農家の三大厄日といいます。

農家以外には無関係に思われるかもしれませんが、天候に留意すべき日として覚えておくといいでしょう。

都市や郊外に住んでいても、同じ地球の民である以上は、天候や災害から完全に逃れることはできません。

今も残る先人の教えには、永く残るだけの理由があるのでしょう。

雑節とは

雑節は、二十四節気や五節句のほかに、季節の移ろいをより細かく掴むため制定された特別な暦日です。

二十四節気等が大陸から取り入れられた文化であるのに対し、雑節は日本独自のものであるため、より日本の風土に沿った暦といえるでしょう。

暦に沿った暮らしをしたいと考えておられる方は、ぜひこの雑節にも目を向けて見られるといいのではないでしょうか。

9月1日は防災の日

関東の方はとくに馴染みが深いかもしれませんが、毎年9月1日は防災の日です。

1923年9月1日に発災した関東大震災にちなみ、この日に制定されました。

関東大震災では、お昼時であったことに加え、風の影響で火の回りが早く、火災による死者がとても多かったといいます。

2021年は8月31日が二百十日ですが、防災の日とも近いこの日に、避難袋の点検や避難路の確認、家族との連絡方法などを話し合うきっかけにし、未知の災害に備える機会を持ってみてはいかがでしょうか。

風祭り

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「おわら風の盆」など、風祭りと呼ばれるお祭りがあるのを聞いたことはないでしょうか。

これらの風祭りは、「風を鎮め、農産物を守る」ための祈りが込められています。

昔は衛星による気象予報などありませんでしたから、台風の到来を予期する手立てが今よりもずっと少なかったことと考えられます。

台風から農産物を守るために神々に祈りを捧げるというのは、古からの知恵といえますね。

また、豊作祈願や盆踊りといった文化風習と融合し、独自の祭り文化を残している地域もあります。

「風」というと大きな災害というイメージがないかもしれませんが、実際、近年では台風によって電柱や鉄塔がドミノ倒しになるような被害も出ています。

「風の時代」に突入し、「風」を意識することの増えた今だからこそ、適切に風を畏れ、風によって得られる叡智を受けるということが必要なのではないでしょうか。

風の時代を生きるための3つの知恵

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では、風を鎮め、風を畏れ、風の時代を生きるためには、どのような知恵があるといいか、3つの項目に分けてお伝えしていきます。

①風を鎮めるための知恵

現在も風を鎮めるためのお祭りが行われているということですが、究極をいえば、人間が自然を操るというのは不可能ではないかと思います。

自然を完全に鎮めることができないのであれば、「自然に対する知識を持つ」「自然とうまく共存する」ということを考えなければなりません。

たとえば、家を建てるのであればどんな場所がいいかを考えるときに、川の近くや山が崩れやすい場所を避けるとか、そういうことが必要かもしれません。

自分と自分の大事な家族を守るため、近代化が進む今だからこそ、自然に歩み寄り、自然を知る努力が重要ではないでしょうか。

②風を畏れるための知恵

台風による被害が年々烈しくなっているように思えます。

だからといって、やみくもに怖れ、風を遠ざけるのは良い方法ではありません。

怖れには恐怖しかありませんが、畏れとは、畏怖を意味します。

「畏」という漢字には、圧倒的なものに出会ったときの感動や、偉大なものに対して敬う心が込められています。

風は暑い夏の涼となることもあれば、澱んだ空気を澄んだものへと変える力もありますし、風力から電気を生み出すこともできます。

ただひたすらに怖がるのではなく、風をありがたいものと捉える、風に感謝する気持ちを大事にしてほしいと思います。

③風の時代を生きるための知恵

風の時代には、「執着しない」ことが重要です。

コロナ禍も影響し、出社が前提であったデスクワークが、自宅でのテレワークへと移行するなど、これまでの価値観がガラリと変わるという出来事を、多くの人が体感しているように思います。

「デスクワーク=出社」のように、これまで当たり前と思っていたことでも、ある日突然、古い価値観になってしまうということが、今後さらに増えていくのではないでしょうか。

そのときに大切なのは、「執着しない」ということです。

なんでも新しいものが良いものとは限りません。

ですが、これまでそうだったから、という理由で新しいものをすべて退けるのではなく、どちらが自分にとって良いか、適切か、幸せかを考えるチャンスをもらっているのだと捉えられれば、新しい世界が広がっていくのではないでしょうか。

まとめ

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農家の三大厄日と呼ばれる日程は、以下のようになっています。

二百十日………2021年8月31日
八朔……………2021年9月7日
二百二十日……2021年9月10日

風災の起こりやすいこの時期、「風」とどう生きていくか、「風の時代」をどう生きていくか、考える機会になるといいですね。

価値観が大きく揺れ動くこの時代が、さらに幸せに近付くためのステップとなりますようにお祈りしています!

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