朝のニュース後、「今日の占いカウントダウン」と12星座に纏わるちょっとした占いはあっても、「今日の心理学」なんていうフレーズはあまり耳にしません。
私たちの日々の生活の中では、「占い」の方が“より身近”で、そして“誰にでも”という印象がありますね。
しかし近年、ネット等を通して「心理テスト」が広がり、また『ホンマでっか!?TV』という番組で心理学者の植木先生が登場し、話題にのぼるなど、「心理学」に関心が寄せられています。
心理学の研究の一端を聞いていますと、占いとの類似点が垣間見られる気がしますが、実際のところどうなのでしょうか。
「占い」と「心理学」、両者の『目的』と『得られる結果』の観点から考察してみましょう。
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このページの目次
1.占いとは
2.心理学とは
3.占いと心理学の違いとは
4.まとめ
占いとは
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最もメジャーなのは、朝の占いに用いられる「占星術(12星座) 」でしょう。
紀元前4世紀頃には基礎ができあがったと言われているほど、占いの歴史は遥か昔にまで遡ります。
宇宙からのエネルギーだとか、神様のお告げであるとか、占いには神秘的な意義があるという見解は様々な文献から見て取れます。
では、そんな大昔から人々は占いに一体何を求めていたのでしょうか。
まず、大前提として「占いは、未来を当てるもの」ではなく、そして「未来を当てることが目的ではない」ということが言えます。
この上で、人々は「考えられる(予測される)未来の在り方を知った上で、“どうすることが必要か、何が大事なのか”と具体的な方法や、行動の方向性のアドバイス、考え方のヒント」を与えられることを欲していたのです。
可能性を知り、視野を広げることを主たる目的としていたのではないでしょうか。
そして得られる結果、つまりアドバイスやヒントを基に、次の行動を決めていこうとしたのではないでしょうか。
心理学とは
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対して心理学は、科学であり、そして学問です。
学問とは知識と方法、そしてその目的は“科学としての発展”にあります。
そして得られる結果は、数多の仮説と検証、事象を考察して導いたデータであり、そこに個人の事情や感情などはありません。
1870年代に学問としてドイツで成立したと言われ、学問の世界ではとんだ若造ですが、とは言っても心理学も、古代ギリシア時代が起源とされているなど、発祥だけでいうとかなりの古株さまです。
哲学との融合、様々な思想活動の影響を受け、やっとここ150年程で「科学の一つ」として仲間入りしたのです。
科学であるため、未来を予測するといったことはもちろんありませんし、ましてや個人にアドバイスをくれるものでもありません。
心理学者の一人であるユングは、占いに興味を持っていたことで有名ですが、彼が真に注目していたのは「占いに関心を向ける人々の心」であったようです。
彼の研究成果に「非因果的連関の原理」、いわゆる「共時性(シンクロニシティー)」という概念があります。
みなさんこんな体験はありませんか?
その場にいない人の話をしていたら急にその本人が現れた、食器を割ったとき身内に不幸があった…そういった一見、因果性のない偶然の一致に遭遇したとき、スピリチュアルなものを感じることがあるでしょう。
これが「共時性(シンクロニシティー)」と呼ばれるものです。
このように、心理学の概念も日々の生活に通じるものがあります。
占いと心理学の違いとは
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さてここからが本番ですが、それぞれの目的と得られる結果にどんな印象を受けたでしょうか。
「占い」は「未来の予測と、アドバイス」を、「心理学」は「人間の心に纏わる学問的な知識と方法」を与えてくれます。
改めて考えてみても、占いのほうが、やはり身近に感じますね。
占いは、占う個人と、その個人の今の環境、そして周囲の人間模様を題材にしていますが、心理学はそうではありません。大きな違いですね。
心理学を応用した占い(ユング心理学占いなど)も存在していますが、だからといって「占い=心理学」とはなりません。
占いは、はっきりとした答えを教えてはくれません。
一方で心理学は、「情報(性格検査といったものなど)」から相手の気持ちを分析するなど、ある程度確信的な答えを導いてくれます。
両者は共に歴史が古く、そして似て非なるものであり、それぞれ良し悪しがあるのです。
その理解のもとに、心理学に関する資格を保持し、それを駆使して占い師として勤めているという方も少なくないようです。
学問として確立したからこそ、占いにさらに深みを持たせてくれているのかもしれません。
なぜ占いに心理学者のユングが引き合いに出されることが多いのか。
彼の治療法の一つに「夢分析」と呼ばれるものがあります。
この方法には、クライアントとセラピストが対等な立場で話し合い、夢の意味と目的を『一緒に考えることによって治癒を試みる』という考え方が基盤にあります。
ユングの心理学を用いた療法の中に、こうした占いの目的に似通った点が見受けられるからではないでしょうか。
まとめ
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「人生」は一人でなく、必ず周囲の人間と関わり合いながら生きていくものです。
人との関わりにおいて「占い」は個人の人生に希望を与える提案書、「心理学」は人生における現実的な参考書といったところでしょうか。
心理学にも興味が湧いてきましたか?
占いと心理学を合わせれば、何かに迷って躓いたとき、何が起こっていてどうしたらいいかわからない時、状況をきちんと把握でき、そして次の行動へのヒントを与えてくれることでしょう。