梅好きさんにはぜひ一度チャレンジしてほしい「梅仕事」の季節がやってきました。
不器用だから、料理は苦手だからという方も、手仕事が好きという方も、この季節にしかできない「梅仕事」に挑戦して、暦に即した暮らしの手仕事を経験してみてください。
今回は、初心者の方でも取り組みやすい3つの梅レシピをご紹介します。
梅仕事とは?
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梅というと梅干しや梅酒が主流ですが、これらはすべて、加工されています。
収穫時期の生梅を使い、自分でそれらを加工することを「梅仕事」と呼びます。
生梅は、おおよそ5月から7月頃にかけて販売されており、季節を感じる手仕事の一つとして、現在も多くの梅ファン、手仕事ファンに好まれています。
古くより愛されてきた「梅」
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今でこそ花見というと「桜」とイメージが色濃いですが、昔は花見といえば「梅」でした。
万葉集でも、桜を詠んだ歌は40首ほどであるのに対し、梅を詠んだ歌は120首ほどと、三倍近くも詠まれています。
見て愛で、味わっておいしい梅は、古くから人々の心身を和ませてきたのですね。
保存食としての「梅」
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「梅仕事」の多くは、旬の食べものを長く味わうためのものです。
傷みの早い食べものを長期保存できるようにするための方法には、「塩に漬ける」「アルコールに浸ける」「酢に漬ける」など、さまざまな方法があります。
「梅仕事」でも、たとえば梅干しは「塩に漬ける」ことと「乾燥させる」ことにより、長期保存を可能にしています。
旬が短いからこそ、その季節をまるごと閉じこめるようにして、長きにわたり楽しむ。
保存するにつれ、少しずつ味が変化していくのも楽しみの一つでしょう。
梅仕事を楽しむ3つの梅レシピ
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それでは、これから梅仕事を始めたいという人に向けて、とくに簡単にできる梅レシピを3つご紹介します。
ポイントさえ押さえれば難しいものではありませんので、一番食べてみたいと思うものから挑戦してみてはいかがでしょうか。
①梅シロップ
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用意するもの
・保存用の瓶
・青梅(1kg)
・氷砂糖(1kg)
①熟す前の青い梅と氷砂糖を1:1の分量で用意します。今回は1kgずつで説明します。
②梅のヘタの部分を爪楊枝や竹串で一つずつ丁寧に取り除きます。
③梅を洗い、丁寧に拭きます。カビの発生リスクを抑えるため、清潔な布巾やキッチンペーパーなどを使い、水気をしっかりと落としましょう。ヘタを取ったあとの凹んだ部分に水が溜まりやすいので、そこも注意します。
④保存用の瓶を熱湯消毒します。乾いたあと、焼酎などで軽く拭きあげると一層、殺菌効果が得られます。
⑤青梅と氷砂糖を、保存用の瓶に交互に入れていきます。
⑥日の当たらない冷暗所で保管し、一日に数回、瓶を回して全体がなじむようにしましょう。
⑦2週間ほどで完成。
1ヶ月~1ヶ月半ほどで、梅はすべて取り出してしまいましょう。
長く入れたままにすると、渋みが出てきてしまいます。
完成後は冷蔵庫保管すると、1年ほど保存ができます。
梅シロップは、水割り、炭酸割りなどで楽しむほか、かき氷にかけたりしても楽しめます。
カリウムなどのミネラルを多く含む梅は、発汗により水分とミネラルを奪われてしまう夏の時期にとてもオススメです。
②梅酒
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用意するもの
・保存用の瓶
・青梅(1kg)
・氷砂糖(1kg)
・ホワイトリカー(1.8L)
①梅シロップの作り方の①~④を行う。
②青梅と氷砂糖を、保存用の瓶に交互に入れ、最後にホワイトリカーを注ぎます。
③日の当たらない冷暗所に置いて、3ヶ月ほどで完成。
梅シロップと梅酒は、ほとんど同じ材料、工程で作ることができます。
梅酒の場合は浸け始めてから1年ほどで実を取り出すといいでしょう。
梅シロップの保存期間が1年ほどであるのに対し、梅酒はアルコールのため、さらに長期間にわたり楽しむことができます。
梅酒は、水割り、炭酸割りだけでなくお湯割りでも楽しめるため、一年を通して味わうことができます。
お酒が好きな方はたくさん作っておくとより長く楽しめますね。
③梅ジャム
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用意するもの
・保存用の瓶
・完熟梅(500g)
・グラニュー糖(450g)
①梅は黄色がかったものを選びましょう。砂糖の量は、梅の重量の70~90%程度にします。
②梅のヘタの部分を爪楊枝や竹串で一つずつ丁寧に取り除きます。
③梅を一つずつ洗い、傷んだ部分は包丁で取り除きます。
④鍋に梅と、梅がかぶるくらいの水を入れ、下ゆでします。
⑤中火にかけ、沸いたら弱火に15分ほど煮ます。途中、アクが出てきたら掬いとりましょう。
⑥15分後、火を止め、そのまま冷まします。
⑦種を取ります。
⑧種を取った梅を鍋に入れ、グラニュー糖を分量の半分ほど入れて混ぜ、中火にかけます。
⑨ふつふつと沸いてきたら残りのグラニュー糖を入れ、弱火にして、30~40分ほど混ぜながら煮ます。
⑩保存用の瓶を熱湯消毒しておき、ジャムが熱いうちに詰めて完成。
梅ジャムは、パンやヨーグルトにとてもよく合います。
さっぱりとした味わいと爽やかな香りの広がる梅ジャムは、初夏の食卓にピッタリです。
まとめ
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毎年5月から7月にかけて販売される生梅を使った「梅仕事」は、旬の時期しか味わえない梅を長期的に楽しむための知恵の結晶です。
梅シロップや梅酒、梅ジャムは、梅仕事の中でも初心者が挑戦しやすいものですので、梅が好き、手仕事が好きという人は、ぜひチャレンジしてみてください。
熱中症対策にもピッタリな梅。来たるべき夏の日々に向けて、保存食作りを楽しんでみてはいかがでしょうか。