今年こそ花見!と思っている方にオススメなのが、『ソロ花見』です。
ここでは、梅・桃・桜の3種類に絞り、それぞれの花に宿る神様についてのお話と、花を介して神様とのご縁をつなぐ3つの方法を紹介します。
2021年はソロキャンプならぬソロ花見がオススメ
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2020年はコロナウイルス感染症の影響で、小池都知事の「桜はきっと来年も咲きます」発言をはじめ、お花見も自粛ムードが広がってしまいました。
2021年こそはお花見をしたい!と意気込んでおられる方も多いかと思いますが、2021年も依然、コロナウイルス感染症の影響は続いており、多人数での飲食を伴うお花見は自粛が求められかねません。
とはいえ、お花見は日本人の魂を揺さぶる春の素晴らしい行事の一つです。
道に転がる小石や雑草一本にまで神様が宿るといわれるこの日本では、花にももちろん神様が宿っていると考えられています。
そこで、今年は多人数で盛りあがるお花見よりも、神様との対話をメインとしたソロ花見をオススメします。
梅と神様
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お花見といえば桜と思われがちですが、昔は「花見」というと梅の花を指しました。
万葉集でも桜を詠んだ和歌が42首なのに対し、梅を詠んだ和歌は119首にのぼります。
新元号となった「令和」の出典元になったのも、万葉集に収録された「梅花の歌」というものでした。
春の訪れと梅の花のかぐわしさを詠んだこの歌を思いながら梅のお花見をするのもいいですね。
さて、梅に関係のある神様というと、天神様でしょう。
太宰府天満宮・北野天満宮を総本社として祀られる天神様は、雷の神様であるとともに、学問の神様としてとても有名な神様です。
今年受験を控えている方や、なにか極めたい道のある方、仕事での成功・出世を望まれている方は、ぜひ梅のお花見をして、天神様とのご縁をつないでみてはいかがでしょうか。
天神様の紋でもある梅の花は、各地の天満宮に梅林という形で表されていることもあります。
近くに天神様をお祀りしている神社があれば、お参りとともに梅林でお花見をするというのもいいですね。
桃と神様
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3月3日の桃の節句の頃が開花期と思われがちですが、旧暦と新暦の関係で、本来の開花時期は現在の3月中下旬から4月頃と少し遅めになっています。
桃の節句の頃には、お花屋さんへ行くと桃の花枝があり、生け花にすることもありますが、桃の木の花見はしたことがないという人も多いかもしれません。
ですが、全国各地に桃のお花見ができる場所はありますので、今年は桃の木に意識を向けてみるのもいいですね。
「桃源郷」という言葉があるように、ピンク色の花があたり一面に咲いている景色は、本当にうっとりとするほど美しいものです。
さて、桃には「オオカムヅミ」という神様が宿っています。
古事記に出てくるイザナギ・イザナミの神話で、黄泉の国から戻ろうとするイザナギが追っ手に投げつけたのが桃の実でした。
もともと魔除けの力を持つといわれていた桃の実ですが、この神話でイザナギにより、「オオカムヅミ」の名を拝し、神様となったのです。
厄除け・魔除けのご利益を得たいという方も、ぜひ桃の花見をしてみてください。
桜と神様
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桃の花と同じく、3月下旬頃から4月頃までが見頃となる桜の花見は、今では梅・桃・桜と3種類のお花見の中でもっとも一般的になりました。
桜には「コノハナサクヤヒメ」という女神が宿っています。
「コノハナサクヤヒメ」は、農業や漁業といった一次産業の繁盛をはじめ、子宝・安産・縁結びなど多くのご利益をもたらしてくださる神様です。
これらのご利益を授かりたいと思われる方は、今年こそ桜の花見をしてはいかがでしょうか。
子宝や安産といったご利益のためには、ソロではなくご夫婦でのお花見がオススメです。
また、良縁に恵まれたいと感じており、気になるお相手がいる方は、さりげなくそのお相手と桜のお花見ができるようお出かけされるといいでしょう。
花を介して神様とのご縁をつなぐ3つの方法
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お花見は、花の鑑賞だけでなく、神様とのご縁をつなぐもの、と考えられます。
そのため、ただ鑑賞するだけではなく、次のようなことを試みるのもオススメです。
①食べる
エディブルフラワーのように、食べられるお花というのは一般に出回っています。
ほかにも、梅であれば梅干しや梅酒、桃であれば実をいただく、桜であれば、桜餅や桜茶というように、花や実をいただくこともできます。
このように、神様の宿る植物を体内に取り入れることで、神様とのご縁をつなぐことができます。
②触る
御神木のように、触ることができない木もありますが、近づくことの許される木であれば、その幹に触れてみたり、身を寄せてみたりすることでご縁をつなぐ方法もあります。
誰だって、急に抱きつかれて良い気はしませんから、心の中で、「ご縁をつながせてください」と祈ってからそっと触れてみてはいかがでしょうか。
風に煽られて萼ごと落ちた花びらを拾って押し花にするのもいいですね。
③飾る
お花屋さんに行き、季節のお花を枝で生けるのもいいでしょう。
屋外に自生したり、植樹されたものの枝を折るのはいけません。
絵画やカレンダーなど、目に入るところに花を配置して鑑賞するのもいいかもしれません。
まとめ
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今年も春がやってきました。
たくさんの人と集まり、お酒を飲んでどんちゃん騒ぎをする宴会は、まだ少し先の楽しみに取っておいて、今年はソロ花見をしてみてはいかがでしょうか。
花に宿る神様とじっくりと対話し、祈りを高める外時間で、身も心も清らかに、リフレッシュしてくださいね!